2008/10/29

晩秋のモズ、冬のジョウビタキ

トリの世界は四季を通して面白いのですよ。


まずはモズ。

はっきり言って、すっげーうるさい(笑)。
声は汚いし、無駄に声が大きく響く。
さらには、他に誰もいなくても警戒音風なノイズを鳴きまくる!
「とりぱん」のとりの氏の見解ではヒヨドリがパンク野郎と定義されてますが、モズの方が騒音レベルはずっと高い。
4〜5羽のヒヨドリより1羽のモズの方がうるさい。

で、そんなことは分かり切っていた事。
「あぁ、秋も深まってきたなぁ」的な情緒。

ある日、庭の木立でエラく騒いでるヒトが。
「ヒヨ?」と思ったんですが、声も太いし、そもそも音量がすごい。
飛び立った姿はヒヨドリではなく、茶色くて太い。
「あ!モズだ!!」
と、その後を追うと、敷地内の柿の木のてっぺんにヤツがいました。
間違いなくモズの♂。見慣れた「しっぽくるくる」。

「相変わらずスズメを2.5倍にふくらしたような可愛さだねぃ」
なんて見とれてたら、

「じゅんじゅん、じゅんじゅん」

ス、スズメのマネ??!!!
すっげー声が太い。。。すっげー声がでかい。。。


モズは鳴きまねで有名です。
でも、なんでスズメ??



そして賢い小坊主、ジョウビタキ。

ここ3〜4年は控えめなジョウ氏がウチの周りを担当していたんですが、今年はやたらハイテンションなヤツが来ました。

基本知識として、ジョウビタキは7割が「クルマ」好きです。
そして「ナル」です。自分大好き!地味な配色だけど、通好みですっごく美しいのは確か。
ドアミラーやウインドウ、自分が映りながら停まれるクルマなど、サイコーの環境なのかもしれません。

そんなわけで今年、ジョウビタキの「ヒー、ヒー、ヒー」というさえずりを聴いたのは5日ほど前。
「あぁ、来たな」と思いつつ、去年より声がでかく良く鳴くことから、世代交代を感じたわけです。

ジョウビタキの「今年も来たぞぉ〜」宣言にウチの家族が顔を出さないと納得せず、気付くまで早朝に大声で鳴き続けます。

そして、玄関先で鳴き続けるジョウビタキ♂。
出勤の際に気付いて、敷地内へ引き込む電線で待つジョウ氏。
2m程度に近づいてもしらっとしてるジョウ氏。
じっと見てると、1m先の柿の木に「ちょっと逃げてみる」ジョウ氏。
「ジョウ氏は代が替わっても相変わらず知的であまのじゃくだなぁ」なんて嬉しく思う。
車に乗って車庫から出す。ジョウ氏が上の柿の木にいることを見る。
「さぁ、出発!」

あれ?よごれが…。
!!!ドアミラーに無数の糞(笑)。
今年はクルマ好きだったんか!!!!orz


およそ2代(5〜6年)に渡ってクルマ好きではなかったんで、糞害はなかったのですよ。
今年はクルマ好き。
ま、洗えば良いんで、気にはしてないんですけどね。


毎年あのヒト達と過ごす冬。
今年はやんちゃなヒトなんで、ちょっと楽しそうです。

そしてもう一人、ツグミ。
12月中旬以降に来る事が多いんですが、今年もヒヨからの「いじめられっこ」風情、楽しみに待ってます!

2008/10/04

すずめ野郎

気付くとスズメネタがかなり多くなってます。
それも含めて、むかつくスズメ!

書店でふと、
「カラス、なぜ遊ぶ」著:杉田昭栄氏
という本を購入しまして。

カラス研究では超有名な杉田氏。本来は脳研究をされていて、カラスに関しても脳の面から分析しています。

学術的で専門的でありながらも読み物としても面白い本ですが、個人的に一番気になったのは「脳化指数」と「トリの脳内比」のグラフでした。
「脳化指数」では、
・ヒト:0.89
・イルカ:0.64
・チンパンジー:0.30
・カラス:0.16
・イヌ:0.14
・ネコ:0.12
と、大体頭の良いと思われる順にグラフが展開されているんですが、、、、

・スズメ:0.12
・ウマ:0.10
・オオタカ:0.09
・モグラ:0.08
・ウシ:0.06
・ブタ:0.05
・カモ:0.05
・ハト:0.04
・ニワトリ:0.03

、、、、スズメ:0.12???!!!!
ネコと同じじゃん!!
イヌとも大差ない!


ネコとスズメ、どちらが頭が良いか?と訊いたら、100%近くの人達は迷いなく「ネコ!」と答えるはず。


より知性の判断ができると思われる「トリの脳内比」でも、
・ハシブトガラス:6.1
・ハシボソガラス:5.7
・スズメ:3.4
・カモ:3.1
・アヒル:2.9
・ハト:1.6
・ニワトリ:1.6

スズメ、またしても上位。
※ハシブトの方が数値は上だけど、観察してるとハシボソの方が理知的な感じがしますが…。

トリ学者としてスズメは「小鳥界」を牛耳るスズメ目を代表する身近な鳥として基準にするのは当然でしょう。
でも、スコアが高すぎ(笑)。


「バカなの、ぼくたち」
芝居を続けるスズメ。今や知ってるヒトは知ってるぞ!
例えば、
・2足そろえたぴょこたん歩きしかできない
・「チュン」とか「ジュン」とかしか鳴けない
・小鳥の世界では弱者なので、常に群れている
これ、全部芝居。ウソ!

実際は、
・足を交互に出して歩ける ※同様にぴょこたん歩きしかできないと思われてるハシブトガラスも同じ
・複雑な言葉を持っていて、ヒトは早朝にだけその会話を聞くことができる ※ただし聞き役は極めて少ないようだ
・求愛行動と思われているものは、実は遊びのダンス ※なぜか2羽とも尾羽を上げて踊ってたり
・リズムに合わせて2〜3羽でファンキーに鳴きあう
・スズメが多くいるところにはヒヨドリでも近付けない
・他のトリのマネをする ※初夏にツバメのマネをすることが多い
・雨の日はハイテンション
・群れるのは朝と夕方のみ 情報交換のためと思われる
・単独で、無駄に鳴きながら嬉しそうに飛ぶ ※里山の上や下へ直線的に飛ぶ事多し
・ヒトの周辺が安全だから巣を作るが、ヒトを小馬鹿にしてる ※人目を引くためにすぐ近くで鳴くくせに、目が合うと飛んで行く

今まで観察してきて、結果こーゆーヤツらなんです。


トリの精神構造って、犬猫よりもずっと人間に近い。

今は亡き♂のボタンインコ、奥さんが亡くなってからというもの、寂しさから翼を噛み切って飛べなくなりました。
でも彼はできれば飛びたいと思っていて、羽ばたく練習は続けていました。
時々飛んでみたくなるんでしょうね。
でも、ヒトが見ている前で試す事はなく、誰も注目していないスキを見計らって飛んでいました。※実際は飛べないので、ただの落下(笑)
見かけて笑ったりすると、マジで丸一日近く落ち込んでしまいます。

どうやらマイペースな猫のプライドとは違うようです。
ヒトが持つ「恥」や「プライド」とほとんど同じ感覚を持っています。相手からどう見られているかが重要なようなのです。

感覚や感情もヒトに極めて近いからか、彼の死からほぼ2年経った未だに彼は私の最大の親友だと思えるのです。



本題に戻って、
「スズメ、むかつく」
でも、ヤツらが知的で面白いからこそ言えるんです。

観察するほど芝居がかってることが鼻につきますが(笑)、可愛がってやってください。